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大日貴

真麻里都のDancing Days

真麻、退団発表しちゃいましたね。昨年末、真岡のオールバックで個人的に盛り上がったので残念である。

私はそんなに良い真麻の観客じゃなかったかもしれないですが、いろいろ思い出はあるので振り返りたい。
なにしろ、OSKが2003年に(いったん)解散して、存続の会→NewOSKとなって、最初に「2年制の養成所」が復活して最初に入学してきたのが真麻たち(82期)で、そこで真麻は首席を取って卒業式では答辞を述べた。

ピンクの紋付きの襟元に紙が挟んであるのが、答辞ですね。次席が白藤。

真麻が入学したのって、2004年。最初の春の松竹座の時だから、この先どうなるのかなんてまるでわからなかった時代で、よく入ってくれたと思う。卒業式は2006年。会場は弁天町の世界館、この卒業式が終わって、同じ日か翌日ぐらいに2006年春のおどりの制作発表があったんですね。その時に新入団生として参加してて、まあこう見てもおぼこいねー。

この2006春って、私すごく好きだったんですけど。とくに洋舞。ラインダンスは松竹座で3本の指に入るぐらいの名作だと思うし、BLACK&WHITEとか、ジャストダンス(ラストショーだ!と本当は言いたい)とか、名場面の再演というのがたまにありますが(今年もジャストダンスあるんでしょ?)、この2006の『ナイトアンドデイ』なんて、また見てみたいんだけどなあ。それに限らず、場面再演するならなんでアレやらないんだ?ってのがいっぱいあって……ってその話になると長くなるのでまた別のエントリで書きます。で、真麻の退団のお知らせにある<経歴>で、初舞台の春のおどりの次に来てるのが『カウボーイズ』ってやつで、ここで真麻は女役をやりました。というのもこの作品、男役が5人だけの芝居でどうしても女性が必要な場面は女装して(っていうのもへんだが)出たので。その写真が一枚出てきたので載っけときます。戯画としての美女みたいな笑わせ役で超絶グラマー(;^ω^)。さすがに『カウボーイズ』の真麻がこれだけってのはナンなので、通し役の、プロボクサーを目指す男の子・ジムの写真を探す。なんとかまともに撮れてるのがフィナーレで主役の高世さんと一緒に写ってるやつしか探し出せなかった……(;´д`)。でもまあこの時代の作品てぜんぜん表に出てきませんので、歴史を掘り出す意味で貼り付けておきます。もちろん真麻はこのあと、かぞえきれないすごいパフォーマンスがあるわけですが、はじまりがなければそのあとだってないので。その後のすごいのについてはまた。

きのうと同じ明日が来ることが猫の幸せ

それは猫だから。

エロチック真麻

『JAZZY 〜DANCE AND THE BEAT〜』を真岡で見て超衝撃を受けたのが、オープニングの真麻ですよ! 暗転からぼーっと浮かび上がったらぴたっとオールバック。

「げ、こんなかっこいい真麻見たことねえ」

とうろたえたよ思わず。これ、大阪でやった時はどうだったっけ? あの時はなーんにも感じなかったけど、席が遠かったから見落としたのか、いやそれにしても。

とにかくぴたっと髪の毛を後ろになでつけてるのがエロくてエロくて。今までこんな髪型あんまり見たことないなーと真麻ファンに「ねーねー真麻ってオールバックしてたことある?」ときくと「んーあんまりしないかもー」と言われた。

そ れ は ま ち が っ て い る

真麻里都よ、キミは一生髪の毛はオールバックにしてろ、と私が神様なら命令したいところだ。と客席で拳を握りしめていたらオープニングから3曲めまで終わって前髪ができてしまった。しょぼん。

といってたらさっきニコニコにジャジーの大阪公演の映像がアップされて、前のめりになってオープニングを確認してみたら、あ、出てないわ真麻。二曲目から出てくるんだった。で、その二曲目も、まあ、いつもよりは撫でつけてるけど、真岡の時みたいな「エロいピタッ」ではなかった。がっくり。超しょぼーん(´・ω・`)ショボーン。真岡の写真か映像残ってないのかー、とにかくあのオープニングの真麻が「今まで見た中で最エロ真麻」だったんだってば。エロに厳しい私が言うんですから間違いありません。ああ真岡行ってよかった。

このジャジーさ、大阪で見た時は「うー、長くてとっちらかってる、作品としてはなんともかんとも……」と思ったけど真岡では人数減って、振付も多少変わり、曲も差し替えになって、とっちらかり具合もずいぶん収まって見やすくなった。ただ、エロのプロとしては、大阪でも真岡でも「男役がネクタイはずすとこはダメ」だなありゃ。大阪ではジタバタしてたし、真岡ではなんか酔っぱらいぽくてさ。「このあとネクタイ鉢巻きでもするのでは」と思ったら客席で笑ってしまった。でも、ネクタイをはずす前に暗めの照明の下で、男(役)3人がそれぞれイスにかける、もたれる、とかじっとしてるとこは大阪よりエロ度5割増し。それは良し。

恋羽みうちゃんのこと

恋羽みうちゃんで、私がとても印象に残っているのが、2009年?の南座公演の洋舞、真島茂樹(マジー)振付場面。タンゴだったかな。割とジミというかあんまり話題にならない場面だったんですけど、舞台の後ろにスパンのスリットドレスを着た娘役がずらっと並んでほとんど立ったままリズム取ってる、その前で誰かが何かやってた?ような気がするんだけど前に誰がいたのかいなかったのかまるでおぼえてないのは、その後ろでずらっと並んだ中に恋羽さんがいて、とにかくそのずらっと並んだ中で絶品だったからです。最初から最後までもうみうちゃんに視線クギヅケ。

別に何をしてるとか目立って何かをしていたわけではなくむしろ逆で、照明も暗めな中、みうちゃんがきわだって無表情で、その無表情さがこちらの感情を吸い取ってしまうような感じなの。曲がタンゴっぽいから他の人はわりと「挑み目」みたいのとか「大人のエロス」みたいなのを出してた気がするけど、それを何もしないからかえっていちばんエロくてたまらんものがありました。エロくてって、いやらしいんじゃなくて、といって可愛い健康なお色気というのでもなく、陰気じゃない暗さ。とにかく吸い込まれる。南座公演は映像に残ってないし、たぶん残っててもその恋羽さんの無表情の絶品ぶりは映ってないと思うので、あの「吸いこまれみう」は私の記憶の中にしかありません。

和紗くるみちゃんといっしょにニコ生に出て同期の思い出話をしている中で、「北原さんが退団する『エトワール』という作品ではじめてセリフをいただいた」って言っていて、じつはそれはまちがいなのです。エトワールは2008年2月だったかな。それより前、2007年7月に『VIVA!OSK 煌めく太陽燃える情熱』っていう作品が世界館でありまして、そこに恋羽さんが新入団生として出てきた。ショートカット、黒サングラス、グレーのタイトなスーツ姿の「組織の女」で、何か組織の重大な秘密を持って逃げた男を探してるかなんかで、遠いカリブ?の島まで追ってくる役で、黒サングラスをいまいましそうにはずしながら「まったく、手間かけさせてくれるわね」っていう、それがいかにも「ワケありな組織の、デキる女」を絶妙にカリカチュアライズしててカッコよかったんですよ。作品はバカバカしいコメディなんで、そのカッコよさがますます際立って、さらに話のおかしみも増すという、新入団生なのにこの存在感! さすが卒業式に答辞読んだ首席! と納得させるものがありました。

(その公演の画像ないかなーと探してみましたがどういうシチュエーションなのかわからないコレが1枚っきりですが、こんな瞬間の写真でもカッコイイですねみうちゃん)

なんの場面?

卒業式の写真ももう一枚出てきたので。きのう退団したみうちゃん、こないだ退団したくるみちゃん、そして現役の楊ちゃん。2007年のことであるからちょうど十年前だけれど、もちろんみんな若いが、同時に「みんな変わらないなあ」とも思う。よくぞまあ、OSKに入ってくれたものだと感謝しかない。

みうちゃんの上に幸せが空からドッと降ってくることを祈らずにはいられません。

卒業式

大阪と秋葉原

博多の桜

OSKでAKBグループの楽曲を使うことがある。私が気づいたのは3曲で、3曲のうち2曲は「AKBをバカにするのもたいがいにしろ」というほどのもので、このことに関しては腹に据えかねているのである。

AKBってのはそれでなくても色メガネで見られる存在ですが、あれだけの人材と資金が投じられているだけあって音楽についてはすごい財産を有している。シングル表題曲だけじゃなくカップリング曲、公演曲と、グループ全体で膨大な数の楽曲があってそれが今もどんどん増殖していって、その中に神曲がゴロゴロと埋もれているのである。それもあらゆるジャンル、あらゆるタイプにわたった曲。だから「音楽が重要である歌劇のショー」でそれを使わない手はない。どんどん使うべきと言っている。

しかしちゃんと使わなかったらぶちこわしになるのだ。曲の良さがひとつも出てない。「バカにするのもたいがいにしろ」と私が怒るのは、あれじゃ本当に音楽をバカにしているとしか見えないからだ。「はーい、えーけーびーやりますよーワラ」みたいな。私はAKBグループが好きなのでまずそっちで怒るけど、そうじゃなくても「かっこよくもなけりゃ可愛くもない、おまけにまともに歌えてもない」のもダメダメだよ。「どーせ余興の一曲ですから」でテキトーにやってるみたいに見えるのももっとダメだ。やってる側にそんなつもりがあろうがなかろうが。

AKBの曲を使うのなら、とにかくいっさいチャラけないでやってくれ。黒燕尾に白ドレスぐらいの気合いで、これがAKBだなんて考えるスキも与えないぐらいの振付で。「グダグダMCどうですか」なんて曲をグダグダな振付と歌唱でやって許されるのはAKB本体だけなんだってば。それ以外の者がそれやってもみっともないだけ。

(3曲のうち残りの1曲は、武生の『ラッピング/クラッピング』のラインダンス前に「恋羽、城月、麗羅」の3人が初音ミク色のカツラで「リボンライン♪」て歌う風変わりな曲で、あれは風変わりすぎてAKBとかまるっきりひっかかりませんでした。そういう使い方はいいです。だから私が気づかないでそういうふうに使われてるAKB曲はもっとあるかもしれない)

じゃあOSKがAKBやるとしてどんな曲をどう使ったらもっともいいんだと問われたら、

★楊琳センターで、ダークスーツで『アイドルの王者』。

★高世麻央センター、黒燕尾で『転がる石になれ』。

これなんて高世の声質にも合ってるしこういう曲調はぜったい似合うのだ。意外性あってなおかつかっこいい。ああ見たい。

真夏の昼のハイダウェイ

合田佐和子のオブジェ

荻田浩一『ハイダウェイ』@シアターエートーは、素材を選んでいい腕できっちり料理された一皿で、味もコストパフォーマンスも良い、ちょっと珍しいし食べて満足なんですが一皿でいいや、と思いました。一皿食べおわる頃には「ふう」という気持ちになる。わくわくもドキドキもしなかった。それは料理のせいではなくて私の嗜好と体調のせいである。なので料理はほぼ素晴らしい。

(話は違うけど、HKTのニューシングルおよびMVを見た私の気持ちは「カールのチーズ味をたべて妙におなかいっぱいになった気分」か。私はカールはカレー味が好きなんで、チーズは「キライじゃないが……まずくはないが……」というものなのだ)
(このシングル出て見て思うのは「5点リードされてて6回裏に1点返した」感じ。意気盛んとまではならない。あと3回で失点おさえ逆転ができるのか)

こんなに仕込みに手間がかけられたちゃんとした美味しい料理って、OSKにはほとんどなかったので、そのことには「すげえ」「ありがたい」という気持ちが強い。荻田先生ありがとう。
同時に「じゃあ今まで見せられてた他の作品て何だったんだよ」とも思う。レビューカフェは仕方ないとしても(ほんとは仕方なくない)、これぐらいのことはできないものか。……できないかもなあ。私も『ハイダウェイ』の箱書きまでは書けたとして、音楽と装置と照明を用意することはできんもんなあ。でも、他の先生がたは音楽家も美術家も知ってるはずだが、ハテ。

私は『ハイダウェイ』見ながら13年前にOSKで上演されました『クラブ・タキシード(ClubTUXEDO)』という作品を思い出していました。ちらっとだけ似た場面があったので。パクリとかそんなんではありませんよ(そんなこと言ったら物笑いの種になる)。世界館という小さな劇場でやった、駄作というか珍作というか、見どころといえば「男役のトップ二番手が出ただけ」というダメ作品だったんですけど、今思うにあれ、構想段階では頭の中に『ハイダウェイ』みたいなものが広がってたんだろうなあ……とモノガナシイ気持ちになります。能力資力の圧倒的足りなさ。

以下さみだれ感想。

・水妖の場面だけど、あれは男のほうが女を助けきらずに自分だけつい生き残っちゃったわけでヘタレの腰抜けの卑怯者。その哀しさが出たら泣けた。ただの悲劇だと悲しいだけ。哀しいのが胸を打つ。

・だからあそこは翼が歌っている「あの風は彼女の囁き」で終わりにしとけばよかったなー私としては。その後の「水底に沈んだ硝子の欠片で自分の腕に彼女の名前を刻んでその流れる血で云々」は蛇足。ヘタレ男がなにかっこつけてんだよ、となる。せっかくきれいに終わったと思ったのにー。

・場面ひとつがガラスでできてて継ぎ目が溶け合ってるような、そういう構造の作品なんですね。だから、「どこが中詰めで」とかそういう概念はない。けれどやはり自ずと密度の濃いというか濃度が高いというかそういう場面はある。それが「船、歌う水妖」に「庭園」に「画廊」の3つかと思うんですよ。いちばん意味あいが打ち出されてる場面。で、その濃いやつ3つが私としてはどうもあんまり好みじゃなかった。どっかで見たような気がしたし。歌劇における通俗とでもいいますか。とくに薔薇の精なー。

・最初に薔薇の精が出るって聞いたときはただちにニジンスキーのアレ↓

ニジンスキー

を思い出し、翼がやるなら似合うかも!と思ったけどさすがにアレはなかろう、ならもっと思いもかけぬすごい薔薇の精が……オギーだし! と期待したもんで、壁から出てきた時にはがっかりしちゃいました。

・濃い目の場面をつなぐとろけたガラスの部分のほうが見事だと思った。「列車の中にて」、が私はいちばん好きだったかも。しかしもうちょっとマシな衣装着せてやろうよ列車の客2人。……あんまり気にならなかったとはいえよく見れば「いつものOSKのダサ衣装」は各所に現れていたのでした。それをそれほど気にさせなかったというのはやはりこの作品はすごい!

・「画廊」で麗羅さんに映し出される映像の有り様がどっかで見たことある……と思って今思い出した。山岸凉子の『悪夢』に出てくる一コマ。あっちはおっさんでしたが。

山岸凉子のアレ

・荻田作品て合田佐和子みたい(最初に載っけた画像は合田佐和子のオブジェです)。気持ち悪さと可笑しさとかっこよさがとろけて固まったような。なら嫌いなわけないんだけどなあ。城月さんの肖像を合田佐和子に描いてもらってそれをポスターにしたらどんなに素敵でしょうか。で、内容はグロテスクで可笑しいようなやつで。

合田佐和子の油絵

・出演者はよくやった。でもこれぐらいはやって当然という気もする。別に驚かなかった。私が「あ、これはいいな」と思ったのは華月が赤いドレスで歌ったソロ。可愛かった。
・そしてこれぐらいの完成度の作品が「最低限」であってほしいと思います。

春のおどりの洋舞を見て考えた

この洋舞は、最初に見た時の印象が「つまんねーなー」だった。すべて終わった今となっては「すみません一徳先生、もっとつまんないものは山ほどあります」と反省しています。中村一徳先生の作品というと、2005年春、2008年春、2010年春、と3つ見ていて、どれも構成はハンで押したように同じ!という驚くべき作風でして、しかし同じだからダメってことではなくてそれは「型」であり、型をつくるパーツの良し悪しですべて決まるっていうんでしょうか。で、今まで必ず一つは「すげえ、ダンスでこういう表現があるんだ!」と衝撃を受ける場面があったのでよかったのです。ほんとに驚いたもん2005春の『カジノ』とか。男がカジノで勝負する場面、といわれて「スーツの男たちが上下に分かれて勝負しあう」というのはよくあるパターンですがこの『カジノ』はスーツの男が勝負するのは「勝負の女神」(いや実際は「ジョーカー」という名のカッコイイお兄ちゃん)とディーラーで、ルーレットやってるんだけど丸くもなきゃくるくるも回らない、ただ賭ける男と、ディーラーとジョーカーとチップのダンスでカジノのルーレットなの(こんな書き方でわかるだろうか)。

ダンスのOSKとよく言われる。しかし、群舞の場面は多いがそれほど揃っているわけでもない。共産圏の軍事パレードの揃い方には遥か遠い。共産党的揃い方は気持ちが悪いとよく言われるが、それならOSKの群舞が揃っているのが良しとされるのはなぜだ。それほど揃ってないから共産圏みたいに気持ち悪くないけど、まあまあ揃っているので良いってこと?(そりゃおかしい)……共産圏とかいうから話が複雑になる。アメリカのミュージカル映画だってばっちり揃ってた(映画だからか?)。OSKが宝塚よりもプロであり揃ってるというなら(そう言う人は多い)、もっとできてる団体とも比べられるのも当然の仕儀。…………って、話がそれたけど、OSKはダンス場面は一生懸命やっているけど、それだけでは私は「がんばって踊ってるだけ」と思ってしまう。「今回の春のおどりは踊りまくってますよ!」と言われても「それで何を見せてくれるのでしょうか」といつも思う。ダンスで何か見たこともないものを表現して見せてくれたら感動する。恋い焦がれて見てるだけで胸がいっぱいになっちゃうような人が踊ってたらきゃーすてきー、でただ踊ってるだけでも気はまぎれるんだけど、そういう人はいないので今。

また話がそれますが、『春のおどり』が終わってレビューカフェのスタッフ発表、とかされてたけど、スタッフに振付の名前が無いってなんなんだ。ダンスのOSKなのにおかしくないか。こういう時って自分らで振付してんのでしょうか。いやレビューカフェは歌が中心だから振付はそんなもんで……って言われたって歌で聞かせられるわけでもないし、毎回手作りの発表会みたいな一時間のショーを、ちょっとだけ目先を変えて新作と言われても。なんかまちがってると思う。音楽も振付もキチッとつくってそれをメンバー順繰りに変えてずーっとやったらいいんじゃないかと私は思う。衣装もちゃんとしたやつにしてね。「あそこに行けばあの公演が見られるから行こう!」ってぐらいの公演を。OSKの劇団員は全員、その公演はどのボジションでもできるようにしておく。いつでも誰が入っても抜けてもできる。……と、どこかの劇場の上野遥みたいな話であるが上野遥はめったにできないことをやるので名前が上がったわけで、ダンスのOSKなら全員それができてもいいと思う。まあその前に、それほどの公演をつくれるのかというのが大問題だが。

それで何が言いたいかというと、今回の春のおどりの洋舞は、「すごく踊ってたけどそれだけ」だなーという落胆である。もちろん私はOSKの劇団員が好きだし、彼らがいっしょうけんめいやってるのを見れば心を動かされる。何回か見るうちにその「踊ってた」部分のデキが(音楽や振付が)いいところもあって、なかなか気持ちよく見られることがわかった。見ていてカンにさわる場面もあんまりなく(しいて挙げれば洞窟のとこか。またこういうやつか〜〜、というのと、青いカツラの娘役が受け付けない。でも一徳先生のにはほぼこういうの出てくるよねー)、ラインダンスは振付がことによくてさすがに感動させられるものがあった。私が今まで見たラインダンスで「いいなー」と思ったのはチアリーディングからスカートをバリッとはいでお尻のフリルにしてガンガンやってた2006春と、天使が羽根をつけたりとったりするちょっと変化球ラインダンスの2006秋、やっぱり何か変わったやつが好きなんだ。でも今年のは「直球で、それでもなお良し」だったので相当すごかったんだろう。ということで、決して悪いショーではない。3回めぐらいにやっとそのことがわかった。

BLACK WAVEという景がある。ソフト帽かぶったスーツ男がかっこつけて踊るやつだ。ワケあり風の女たちも出てくる。歌劇につきもののこの手の場面、はたしてこの男たちはどういう職業なのか。というのは前から言ってるんだけど。やっぱりヤクザでしょうか。この景のラストは、ひとり取り残された高世が、思い入れたっぷりにふりかえって暗転、っていうこの場面を見ていて私は「うーん神戸の井上さんは今こういう気持ちなのかな」とかふとよぎってしまい笑うとこじゃないのに笑ってしまって申し訳なかった。

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