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一年前

びれい

去年の七月は近江飛龍劇団を朝日劇場で何回か見た。去年の八月は南條隆とスーパー兄弟を松山劇場でずいぶん見た。近江飛龍ははじめて見た時「ついに大衆演劇の劇団で見る価値のあるやつに出会った!」と一瞬興奮したんですが、翌日見たら「もしかすると気のせいかもしれない」とちょっと思い、さらに見てみて「今まで見た劇団の中ではやはり一頭地を抜いている」と思ったがそこでもう松山に帰っちゃったんで、続けて見てたらどうなってたのかわからない。八月のスーパー兄弟は地元だったので通ってみた。けっこうメジャーな劇団だし兄弟二人してゲストに行って留守続きだったりするんだろうなと思っていたらずーっと松山にいっぱなし。ゲストに行く時は僅かな休演日に日帰りとかで、松山市民としてはありがたいような申し訳ないような。というのも、松山劇場のスーパー兄弟、客が少なかった。大入りが出ない日が普通なんですもん。そのせいだか、やたらテコ入れに(推測)ゲストが来た。おかげで橘大五郎も小林真も見られた。片岡昇次郎が来た時はそっちに花がばんばんついて、スーパー兄弟にはない。そ、そういうものなんですか。十何年ぶりに松山に乗ったって言ってたけど、「松山なんかもう二度とこねえ」と思ってるんじゃないだろうかスーパー兄弟。

たぶん十回ぐらい見にいった。ステージとしては近江飛龍のほうが私はだんぜんよくできてると思った。スーパー兄弟は、私が大衆演劇見てへきえきするところの「演歌のあてぶりフルコーラスをえんえんとなんの工夫もなくやってる」のでウンザリしてくる。しかしそれでも見にいってたのは、劇場が近所だからというのもあるけれど、龍美麗の見た目がよかったのと、南條影虎の芝居が異様にうまかったからです。龍美麗は、大衆演劇見ててはじめて「洋装でも見られる」役者だった。いろんな劇団の美形で売ってる座長、顔はよくてもスーツ着るとデブデブでいきなり現実に引き戻される。ほんとにスーツの着こなしが話にならない。しかし龍美麗はいけてた。OSKの男役程度ぐらいはいけていた(宝塚まではちょっとむり。あれはもう畸形に近いようなスタイルだしなー)。こういうのはめったにない。それと、意外なことに、あのての美形は感じわりいと相場が決まってる、と思ってたら案外感じいいんですよ。口上で前売り券を客席に売りに来るような時のちょっとしたやりとりが感じいい。大衆演劇で(座長クラスで)感じいい役者ベストスリーは「1位・橘大五郎」「2位・小泉ダイヤ」「3位・龍美麗」とランキングしておきます。橘大五郎はゲストに来た時の送り出しの時の感じの良さに感動すらしたです。そんな感じのいい兄さんにくらべて弟の影虎はコワイ。ブスな女など人間じゃねえぐらいのことは思っていそうな酷薄さだ。

酷薄な弟

そんなんで、けっこう通ったわけですが、ある朝また出かけようとしたら、どうしても体が動かない。千秋楽の指定席も取っていたにもかかわらず、もうそれから行くことができなくなってしまった。なんか体が拒否したみたい。やっぱりいくら影虎の芝居がうまいったって、毎日毎日股旅もの芝居は見ちゃいられないし、いくら龍美麗がキレイだからって演歌のあてぶりフルコーラスをガマンはできなかったということか。それでも十回ぐらい通ったってのは、それなりによかったんだろう。松山劇場に来た恋瀬川翔炎は一回すら見られなかった。途中でやんなって帰っちゃった。しかし大入りはスーパー兄弟よりずっと出てたみたいでこれも謎だったなー。

もちろん送り出しなんかでしゃべったりするわけはないが、龍美麗は宝塚が好きで舞台に取り入れている、というのをどこかで読んだので、「宝塚を取り入れるよりもOSKを取り入れたほうがぜったいにいい」ということは言っておきたかった。2007年春のおどりのDVDを渡して「とくに、日舞のほうをよく見てください。これから大衆演劇をもっと盛り上げたいと思うなら、OSKの日舞を見るべきです」と言いたかった。でももちろん渡せてないし言えてもいない。

びれい


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