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ジャストダンス考

(最後にどうでもいい追記あり)

伝説のジャストダンス、とこの春から言われるようになった場面がありまして、それはOSK日本歌劇団『春のおどり』の中の、洋舞の一場面です。振付:名倉加代子、音楽:中川昌。群舞のシーンです。なんで「伝説の」なのかというと、今年で3回目の上演になる場面だからです。3回もやるってことは、音源も衣裳も使い回して経費節減とかではなく(いや笑い事じゃないんですってば)「名場面」だからです。

「伝説のジャストダンス」にはこのような歴史があります。

●2007年 春のおどり 第二部「桜ファンタジア」第12景『ラストショー』(大阪松竹座)
●2013年 春のおどり 第二部「Catch a Chance Catch a Dream」第12景『ジャストダンス』(日生劇場/大阪松竹座)
●2016年 春のおどり 第二部「Take the Beat!」第10景『ジャストダンス』(大阪松竹座/新橋演舞場)

最初は「ラストショー」って景タイトルでした。私はこれ、3回とも生で見た。どれも劇場の最前列からも後ろからも右からも左からも三階席てっぺんからも見てるのでけっこうこの場面に関してはプロ。で、今年のバージョンを、松竹座の初日に見た時に、「あ、前(2013年)と少し変えてあるな」と思った。再演といったって、時がかわればメンバーも変わる、人数や男役女役の比率とかその時のスターの持ち味とかがあるので多少の変化は必須だよな、だとするとその小さな変化というのは、先生が劇団員の個性をより際立たせるためという側面もある! とすればその差を拾い出すことは重要な意味が!

と思って、まずは今年と2013年との違いをはっきりさせよう。劇場で「ここが前と違う!」とか心のメモとって、家で2013年のDVD見て違いを確認だ!とやってみたところ。…………。
同じだった。ほとんど同じ。たぶんぜんぶ同じ。え。何見てたの私。
えーと、今年と違ってたのは、2007年バージョンでした。初演のこれが頭にこびりついてたもんで、つい。なのであらためて、2007年と、2013年&2016年の違いについて、わかりやすいところを書き出してみようと思います。需要あるのかこれ。それに2007の映像ってDVDがもう出回ってないからこれを読んでから見くらべるとかもできんしなー。でもまあいいか。.わかりやすい、主要男役の動きにしぼってくらべました。

音源は同じ。衣裳も基本同じ。ちがうのは帽子のリボン。2013年と今年はラメみたいな光る単色のリボンで、2007年は白黒の市松のリボン。ほれこのように。

帽子のリボン

 

……と、リボンの柄を見せたいのかそれを持ってる人を見せたいのかわからないような写真を上げさせていただきましたが、なかなか可愛いダービー帽です。さらにいちばん大きな見た目の違いは、2013年2016年では「男役トップ、2番手、3番手が白タキで、他はみんな黒」で、2007は「男役トップだけ白タキ」なとこ。この写真の人だけなんです白は。
あと、舞台装置は、ステージ後方に5段〜踊り場(っていうのか)〜5段で電飾つき階段が出ている。それ以外の袖パネルとかホリゾントとか吊り物とかは毎回ちょっとずつ違いますが、基本的に「白い光と黒と白の群舞」を際だたせるためのものです。

 

正誤表(違)

 

と、この表つくりながら、私はヒマすぎるんじゃないかと反省した。その上、時間かけてつくったわりには、よくわからない。わかったとて、「だからどーした」みたいな……。あと、2013年と2016年をいっしょくたにしちゃってますが、今年のやつは脳内メモなので、もしかするといろいろ違いがあるかもしれません。それは今年のDVDが出た時にでも検証してみてください。
あ、表内の、ラストショー(4.03)のところにつけた注釈の※1というのは、ここで投げキッスと書きましたが、よくある投げキッスじゃなくて、さりげない、可愛い、小さな桜色の花びらがふるるっと浮かんで消えるような投げキッスで……って投げキッスって言った瞬間もうちがうんだよーー(ToT)。いやでもそんなことにこだわってんのは私ぐらいか。

まあ、このような違いがありました。主要男役以外の動きにも違うところはたくさんあります。あとは、出てる人数かなあ。曲が進むにつれてくるくると出る人数が変わるので、プログラムに出てるメンバーの数で判断つかんのですよね。動画見て数えればいいんだけど、途中でめんどくさくなってやめた。総じて、

「ラストショーは少数精鋭」
「ジャストダンスは総員体制」

って感じ。ラストショーの時は、踊りながらほとんど無言だった。映像見ても「光と白と黒。音と動き」しかない画面である。ジャストダンスになるといきなり元気で、時にコミカルで、いたるところに掛け声が威勢よく入るようなった、ということからくるものが大きいかも。私としては、「ジャストダンスは粋でオシャレでシャープなので息をつめて見ていたい」から手拍子とかが入るのは「ちがうううー!」と叫びたいのだけど、「ジャストダンスはラストショーとはちがう」からそんなこと言うのもそれこそ無粋なのかも。

(2016.5.12 追記)
衣裳の違いがもっとありました。「ラストショー」では、男役はタキシードのシャツには蝶タイ着用でしたが、2013はノータイで開襟です。今年は覚えてない……(汗)たぶん開襟。この襟元の違いも、雰囲気をわりと変えるのに役立ってるようです。ラストショーは文化系、ジャストダンスは体育会系。

コメント:2

t-k 16-05-11 (水) 5:05

初めまして、私もジャスト・ダンス全て観ています。大貴誠→桜花昇ぼる→高世麻央がそれぞれトップ。例外バージョンとして2013年の「春のおどり」の若手のみでの真麻里都がメインのもの。ジャスト・ダンスはレビュー華やかし頃のジャズをフルバンドで演奏、そしてドラムのリズム、ハットとタキシードとシンプルでソフトケィートされた踊りで、名倉加代子の都会的で洗練されたスピーディな振付は誰も真似出来ないと感じます。特筆すべきは人の出し入れです。場面転換が早くメインそしてコーラスラインも直ぐに入れ替わります。

そしてダンスのフリが難しい。本来ならもっと大人数でやる(大人数でなければ、逆に混乱する)べきダンスです。或る意味でグランドレビューにおける人海戦術を行うべきダンスです。この類い稀ない難しいダンスをOSKは小編成でやってのけるダンス技術と、弛まぬ鍛錬と努力があるのですね。振付師にしてみたら、これでもかと挑戦的にダンサーに挑むし、それをダンサー側も受けて立つ事の出来る、これが正にジャスト・ダンスだと私は感じます。

多分この振付を熟す事の可能なダンスアンサンブルは、OSK以外に日本に存在しないと私は思います。宝塚ではもっと振付を簡単にしたら可能、四季は男性ダンサーがいるので迫力あるダンスは可能だと思いますが、レビュー特有の「踊り子」的なイメージは四季では表現しきれない。レビューを脈々と大切にしてきたOSKにか出来ないもの、それがジャスト・ダンスです。

青木る 16-05-11 (水) 19:29

t-kさん コメントありがとうございました。
私は実は、OSKは言われるほどダンスの技術があると思ってません。たとえばジャストダンス、確かに難易度高い振付ですが、宝塚でも四季でもメンバー選んでやらせりゃできるでしょう。ただ、宝塚も四季も(他のメジャーカンパニーも)、わざわざやる必要がないからやらないだけじゃないかと。コストパフォーマンスが悪いから。もっと手軽にもっともっと見栄えのいい場面をつくれるだろうから。
ということで、ジャストダンスを、総員体制で、ああいうふうに魅せる(魅せないといけない)のはOSKぐらいだろうし、そういう面をふくめてOSKが好きなんだろうと思っています。

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