哉走りその6

承前)
ライブのほうのカードに書いてあった曲目。

TREASURE
スイングしなけりゃ意味がない
大阪
My Home Town
心をこめて花束を
I Love You I Want You I Need You
Stars
That’s Life

……ふだん聞いてるような曲がない。
私は音楽がそれほど好きでもないんじゃないかとこういう時に感じる。家にいる時も外に出かける時もずーっと音楽は聴いてるけど、決まった曲をぐるぐる繰り返して聴いてるだけだ。iPodに曲が1000や2000も入るっていうけど必要ない。あんまり好きじゃない曲は聴いてられなくて流し聴きってこともできない。なので80曲ぐらいをぐるぐるしている。家にいる時は自分で編集したCDが二枚のみ。新曲が入り込んでくることもめったにない。おまけに、ジャンルで音楽を差別しているので(わかってんならやめろよと思うんだけどそれが正しいという気持ちも多少捨てきれない)、ほんとうに音楽に関しては世間が狭い。
しかし、歌劇というのは歌の劇っていうぐらいで音楽が山ほど流れ出る。ふだんぜったい聴かないようなジャンルの音を、それこを浴びるように聴かされた。そこで私はけっこう音に対して目が開かれたのである。ジャズやミュージカルナンバーにはとても力のあるものがあるということを知った。もっと驚かされたのは民謡。異様にかっこいい。そして、ビートルズやストーンズの曲を歌劇が使う時はどーしようもなください編曲にされる。というかロックバンドの曲はなぜかだめにされる。ロックじゃないものがすごくロックになってることがあるのに、これは不思議。
しかしとにかく私の音楽の基本はロック(notヘビメタ。断じて!)であるので、ロックな歌を歌ってくれる人が好きなんです。あ、ロックの歌って、シャウトとかいうんじゃないです。それはいらない。

なんか大ちゃんて歌はダメみたいなことになっているようだが、私にはあれで充分で、というかハマッた時には誰よりもよかった。朗々とした歌じゃなくてもっとさらっと歌った時。さらっ、とざらっ、の中間ぐらいの。写真でも、つやつやのミラーコートじゃなくてマットコートのほうがいいというか、もっといえばザラ紙に印刷してあるようなのが好きなので、大ちゃんの、地声と裏声の境目ぐらいの、息がまじってかすれた声など、ちょっとない魅力です。歌劇というとやはり声楽が基本にあるので、どうしてもミラーコート的な発声が良しとされるし、それが似合う場面ももちろんあるんだけど、ちょっと無造作な息の混じった歌声のほうが好きで、そっちが私の考えるロックの歌声である。ヘビメタはシャウトでミラーコートで桜花昇ぼるで非ロックだろう。(そもそもヘビメタはロックではない、という私の前提はご理解いただけるんだろうか)(つづく)

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