読書の初夏

私は暴力団マニアでして実話週刊誌の別冊ムックとかが大好きです。ナントカ組直若総覧とか、そういやつ。大好きだけどたいがい面白くないんですよね。なんか『ラグビーマガジン』みたいで。『演劇グラフ』にも似ている。ラグビーマガジンと演劇グラフって一見「この世界のファン誌としてこれがあるってのはなかなか恵まれてるな」と思うんだけど思うのは一瞬で、読んでる間に「何か……つまらない……」となってくる。なんでかというと「大本営発表」と「写真」と「単なる情報」で成り立っているので物足りないのです。暴力団ムックはビジュアルはラグビーマガジンや演劇グラフには及びもつかないお粗末さで、さらにつまらなさの構造だけは似ている。というとなんかいいとこないみたいだが。ところで関係ないけれど、最近よく空港を使うので、空港のゲート内の雑誌売店もよく行くけど、空港の売店て実話週刊誌(という名前の暴力団情報誌)の品揃えが豊富ですね。盛り場の近所にあるあんまり流行ってない個人書店というのが「暴力団週刊誌のメイン売り場」だと思ってたけど「飛行場ゲート内売店」もそこに加わることがわかった。

ムックがイマイチなので書籍を読む。こっちは文字が多いだけいろいろと読んで思うところが多くて面白い。溝口敦の暴力団本を読んでるととくにいろいろ思うところが多いです。で、今、『最強の経済ヤクザと呼ばれた男』を読んでいまして(あ、これは溝口さんの本ではないです)、稲川会の石井二代目について書かれた本で、私は石井さんのマニアでもあるのでアマゾンで注文した。それがきのう来たから読んでるわけですが、読んでおどろいた。これ「石井さん大河小説」なのだった。もう、石井さんはもちろんとして、石井さんのまわりも素晴らしい人ばかり。前に読んだ本では住吉会の堀会長も人格識見すばらしく弱きを助け強気をくじき情けの深さはマザーテレサ級というほどだったし、この世界は人物を輩出して尽きない泉のようである。

私がなんで石井さんマニアなのかといえば、一にも二にも「石井さんの見た目がすごくかっこいい」からだ。何かの写真で見て驚いた。ネットで探してもあんまりマシな写真はない。新神戸の駅のホームで山口組の渡辺五代目と談笑してる(背広のポケットに手をつっこんでいる)写真がすごくかっこよかったんだけどそれが載ってた本が今手元にない。なんとなく大ちゃんに似てる感じがある。大ちゃんのお父さんはこんな感じだったんじゃないかと思う。なんていうとなんだか誤解を招きそうだけど、石井さんは写真だけ見る限りではまったくヤクザっぽくない人である。

石井さんの大河小説を読んで、石井さんは180センチの長身だったということがわかった。
昔、天河弁財天に行った時(バカだよ私も)、ガタイのいいダブルのスーツの集団が着て祝詞あげてもらっていて、祝詞聞いてたらそれは稲川会の集団だった。あの中には石井さんはいなかったと思う。

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