OSKミュージックスタジオ問題

OSKミュージックスタジオなあ……。
OSKの公演にOGが出るってへんだろう。(あ、牧名ことりファイナルコンサートについては別の話です)
出るとしたらイベントとか催しとしてだと思う。あるいはOGの公演に現役がゲストで出るとか。現役とOGが混ざって公演するというからには、何かものすごい大義名分がなかったら納得いかない。その、ものすごい大義名分とは、90週年の松竹座のイベント級のものであって、それだってイベントなわけで。あれで本編にOGが元トップでございますとかいって(たとえ大貴さんであっても)出てきたりしたらとんでもないと思う。

まず、問題を切り分けておく。

・企画としてどうだったか
・脚本や演出としてどうだったか
・出演者のパフォーマンスはどうだったか

企画ってのは、OG呼んできて一緒にコンサートやるってことですね。最初に言ったように、OGを呼んできてまぜて公演するのはおかしいと思う。人間には懐かしさを楽しむという感情があるので、こんなこと言ってる私だって、若木さんがしゃべってるのを聞いてたら、胸の中にお湯が湧くような懐かしさが……若木さんてこう、ふるいつきたくなるような可愛らしさがあったよーー!と叫びたいような気持ちにかられましたが。しかしね。「懐かしさを売りにする」のはイベントにしてくれ、30分ぐらいの。本公演じゃなくて。

これはパフォーマンス問題にも関わってくるのだが、「圧倒的な何かを見せてもらえるのならば出演することもあり」という考え方もあるだろう。そこがなあ。そんな圧倒的なことってなかったもん。皆さんすごいすごいってほめてたけど、別にそんな、言われるほどすごくなかったよ? そりゃ現役の下級生にくらべたら技量は上だろうが(それだって大差というわけでもない)それなら現役生のがんばり見てるほうがいいわ。というか現役の若手のほうがよかったところもあったしさ。

人を圧倒する何かがあったとしたら桜花ちゃんの華であって、年月たって人間は老いたり劣化したりするのが摂理であるにもかかわらず、変わらぬ桜花昇ぼるの光りっぷりはすごかった。華って枯れるかと思ったら熟成発酵の段階に行っててなお光量は減っていないという、だがそれだけに、桜花昇ぼるが真ん中にいない絵面がアンバランスに見えてしまった。それもすごいことだが、だとするとやっぱりいかんと思う。

で、脚本や演出についてですが。
最初に翼と千咲が司会者然として出てきて、それから現役生だけが短めに歌い継いでくんだけど、なんのコントなんだ? でもコントでもないみたいなんだけど、何だったんだろうあれは。と悩んでたら友だちが「あれは『夜のヒットスタジオ』の真似なのでは」と言った。あーあーあーー!それなのか!……って、なぜ夜ヒット。たいして似てないしテンポも良くないし、選曲もよくわからんし。

そこからもうグダグダな進行で、総合司会に吉津さんを起用って、自爆テロみたいなもんじゃなかろうか。そして構成っていうのか演出というのか、工夫もなきゃハッとさせるとこもないという、けっこう唖然たるものがあった。照明でなんとか救われてた。私の、OSKショーにおける最低最悪ランクが『JUJU』で次が『熱烈歌劇2013』であるが、これは熱烈に並ぶものである。
(OGが出なかった牧名ことりコンサートのほうで、牧名が思い出の語りとともに歌う『見上げてごらん夜の星を』と、OGが別の口上とともに『見上げてごらん夜の星を』を歌うってのも「ぽかーん( ゚д゚)」だったな。それから牧名の小芝居コーナーの『竹取物語』も、選曲がてんであってない、振付がさえない、真麻が出てくるんだけどなんかバカみたいで。いやこれは真麻が悪いんじゃない。真麻はひたすら気の毒。黒蜥蜴の替え歌もなんなんだそりゃ、で、このショーがつまらんのはOGが出るとか出ないとかの問題じゃないということがわかったので、こっちのバージョンの意味はあった。いやな意味だけどさ)

ということで、こんなことはもうゴメンである。OGと現役を一緒に出すのはもうやめてほしい。もし出すというんだったらもっとちゃんとつくりこんだ作品にしてほしい。……まあつくりこんだとしてもOGが本公演に出てくることの意義はなかなか見いだせるもんじゃないと思う。だから、周年記念の、イベントだけにしてくれ、OGが出てくるのは。

牧名ことりファイナルコンサートは、なんか笑っちゃったな。高世と牧名のデュエットダンスがあって、それが、ものすごくバッサバサしてて、あんなにぽーっとさせないデュエットダンスというのも珍しい。いやそう書くと悪口みたいに聞こえるか、いやちょっとは「どーなんそれ(笑)」とは思うけど、でもそのバサバサで最後までってのが牧名さんらしくて笑っちゃって、笑いながらじわっときた。

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