春のおどり感想ぽつぽつ

★恵比寿屋でお大尽が傾城とよろしくやってる部屋。衣桁があって青い打ち掛けがかかっていた。その打ち掛けに“八つ槌車”が縫いとられていまして、これ大貴さんの実家の家紋なんですよ。ま、偶然でしょうけど。

八つ槌車

★やっぱり火消しの頭の死に方はかっこわるいと思う。あれじゃ年寄りの冷や水みたい……。

★下駄タップって、あんまり爽快じゃない。タイヘンなのかもしれないが甲斐がない技術と思う。歯にタップシューズの金属のアレでも仕込んでくれたらちょっとは爽快になるでしょうか。

★『恋の鞘当て』のところの音楽はすごく良い。今回の春のおどりの、和洋ぜんぶ合わせた音楽の中でいちばん好き。下世話とかっこよさの絶妙な混淆。

★初日の初回に日舞の緞帳がおりた時の客席の微妙な空気がすごかった。歌舞伎ネタ由来でよくわからないとか言われてたが、そうなのか? 歌舞伎ネタ知ってても知らなくても関係なくない?(ちなみに私は後で聞かされたネタはひとつも知りませんでした)全編スワヒリ語で芝居演じたとかいうならともかく、ショーなんだから、見りゃわかるだろう。「見たことない画と動き」を次々と出してくる、その画がきれいで、とてもよかったと思うが。問題があったとすれば歌舞伎ネタ云々じゃなくて、一場面がやたら長く感じられたってほうじゃないでしょうか。それは「場面の展開に難」と「出演者の技量に難」の、まあ五分五分だろうなあ。

★(これは今回の洋舞に限らずの話ですが)
公演の前評判とか、見た人の感想とかで「とにかく踊りまくり!」「すごい踊ってる!」って感想を聞くと「……(-_-;)」となる。それしか言うことないのか。OSKには他に取り柄がないから踊るしかないよね!がんばってるね!すごいね!と言われてる気がする。バカにされてると私は受け取る。あるいはOSKに求めるもののなくなった人びとの思考停止の怠惰さか。たまにはダンスのことじゃなくて「この作品はすごい!」って感想を聞きたい。また、製作側にはそういう作品をつきつけてほしい。今年の日舞は、その意味で語るべきことのある作品でした。

★最近、楊の舞台姿は都若丸の舞台姿にすごいよく似ている。(いいのかわるいのか……)

★真麻がいちばんかっこよく見えるダンスってどういうのだろう、と見ていて考えた。なんでもいけるからさ。今回の松竹座だと、日舞の火消しがかっこよかったが(これは教えてもらって発見した。ほんとにかっこよかった)、ちょっと意味合い違うしな。前は「案外、黒燕尾はそれほどでもない」と思ってたんだけど、今ならクラクラするほどかっこいいのをやってくれるかもしれない、と期待している。というかさ、去年も今年も「黒燕尾の場面」がないってどういうこと!

★三階席に座った時の楽しみとして、始まる前に場内が暗くなっていく時、後方にある音響室にあるインジケーターランプだけが赤くチラチラ…チラ…チ……と点ってるのを見ているのが好きだったんですが、なんか今年はカーテンひかれちゃった(´Д`)

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