梨のサラダすだちパワー
晩ごはんつくってるとどうしても肉っけのものばっかり(好きだから)つくってしまい、ちょっと野菜があったほうが後ろめたさがない、と思ってしまうもの。そういう時にはたいがい「キュウリをただ刻んで塩でもんで出す」というのをやる。少し手をかける時はツナをまぜるってやつだけど、この時マヨネーズ使うとうしろめたさがあるのでオリーブオイルとお酢だけにしておきます。どうしても物足りなかったらヨーグルト(もちろんプレーン)でもちょっと入れましょう。牛乳は無脂肪だといきなり味気なくなりますがヨーグルトの場合は無脂肪でもぜんぜん無問題なので、プレーンヨーグルトは常に無脂肪を買います。で、明治のヨーグルトはには独特の味わいというかクセがあって、子どもの頃にビン入りで売ってた甘いやつを初めて食べた時、「これは嫌いだ!」と(これがヨーグルトというものすべての味なんだと)思い、その後ずっとヨーグルトを食べずにいたら、小学校の給食で雪印のビン入りのヨーグルトが出て、そっちは美味しかった。それから何十年もたち、先日いつも行く安売りスーパーでいつも買う「メグミルク恵 脂肪ゼロ」が売り切れてたから「もう何十年もたってるし、あのビンの味からは変わってんだろう」と「明治ブルガリアヨーグルト脂肪ゼロ」を買ってきて、いつものように和え物に使ったところ、まさにあの子供の頃にイヤだったあの味わいがしっかりあってガーンとなった。でもあの味が好きな人にとってはこれは「いつまでも変わらない味」で、いいんでしょうねえ。メグミルク以外でも森永ビヒダスや小岩井のやイオンのPBモノにカスピ海ナントカとか、安いと見れば買ってきて食べるけど、あの私が受けつけない味をしたやつはない。明治はそれを貫いてるんだからすごい。しかし私は二度と買わない。
秋になって梨が出回りだしたら、キュウリと梨のサラダですよ。簡単だし。キュウリをとんとんと薄切りにしてボウルにいれて塩をぱらぱらしたらざっと混ぜとく。冷蔵庫で三十分ぐらいしたら水気が出てくるから絞って(すっかりシナシナになってます)、梨をむいて刻んだやつをまぜたら、お酢をちょっとまぶしてまた冷蔵庫。ご飯に出すときに黒コショーをパッパとふりかけてそのまま出せば秋の味わい梨サラダ。キュウリ2本に梨半個ぐらいでいいと思う(梨の割合が多すぎると、サラダというストイックな気分が薄れる)。はじめのうちはオリーブオイルもちらっと入れてたんだけど(それも美味しかったんだけど)、なくても別にいいかと思ってやめた。サラダというより酢の物かこれは。梨は、私が「果物ベストスリー」の中に入れる、

(ほんとに美味しい果物だと思う。それも国産の果物ですよ! このさっぱりした味がサウジアラビアだかどっか砂漠の国で珍重されて高級果実として王様とかに愛されてるらしい。

わかってらっしゃる)をお勧めするのだが、お酢入れてるから幸水とか豊水とかのほうが美味しく感じる人もいるかも。きょうつくったやつは、うちの近所ではよく捨て値で売ったりしてるすだちを絞ってみた。すると、二十世紀のさわやかな味わいと相まって、ものすごーく「ビターな、大人の味わい」になったんでびっくりした。この季節、お造りだの秋刀魚の焼いたのだのに半割のすだちがついてきて、たいした感動もなくしぼって食べてたけど、二十世紀とかキュウリとか、淡めの味わいのものと合わすほうが「ガーン!」とパワー出すのねー。地元の産物で、朝市で捨て値みたいにして売ってるもんでみくびってました。すだちえらい。
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