色気の淵源

色侍

OSK界隈では、愛瀬光が色気があるって話になってるじゃないですか。よくわかんなかったんですよ。私は「愛瀬くんはどっちかといえば清潔なほうのタイプなんじゃないの?」とずっと思ってたので。

いや待て、「清潔と色気は両立できる」だろう。薄汚れてて色気があるとか最悪ではないか。でも薄汚れて色気、と言った時に私がついつい思い浮かぶ絵は、

「母一人子一人の美しい少年が、病気がちの母のために万引きをしているうちに街の顔役に目をつけられ体を売らされるようになって次第にやさぐれてくる」

みたいなやつ。『残酷な神が支配する』のジェルミが性的虐待の義父(とついでに母)を殺したあとに失踪してニューヨーク(だっけ?)でウリセンボーイやってた時代、みたいな感じですよ。それなら薄汚れた色気もアリなのでは。……ないない。そんな世界は絵空事。薄汚れてるのはただ薄汚いだけ! 薄汚れた色気ってのは地方都市のホストみたいなやつです!

角座でPRECIOUS STONESとREVUE JAPANを続けて見たので色気というものについてあらためて考えこんだのだ。まず楊ちゃんの色気追求場面について。

私が今まで楊ちゃんでいちばん色気あるわあ〜とぽーっとなったのは『My Dear』のジョージです。見守るというポジションの大人の男で、サイドストーリーとして大人の恋愛(といっても純愛系)もしてるわけだが、色気を出そうという場面など皆無。なのに手とか指とか仕草とかににじみ出す「いろいろあったに違いない……この男…」感。たまりませんでしたねー。前に化粧濃すぎるって言ったのも同じ話になるんだけど楊ちゃん、芝居というか役づくりも「押し」より「引き」のほうがぜったい素敵ですよ。もしあのチャイナの場面なら、まず楊ちゃんは首筋に噛みついたりしない。近寄りさえしないでいい。ただ手で、中空の何かに触れるわけですよ。すると椿りょうは「何があったのかわからないが何かが起こったことにだけ気づき、自分を見失っていく」。舞美ちゃんは楊の手先、だけど椿くんの取り乱した様を見てるうちに何かに目覚めて楊を逆に支配するべく牙をむく(実際に歯をむいたりしてはいけません)……みたいなやつを、

説明的じゃない、象徴的な振付で!

見たいなー。楊vs舞美の戦いとかどんだけかっこいいことか。一瞬でも追い詰められる楊ちゃんの茫然とした表情とか、見たいわあああ。

レビュージャパンの愛瀬くんを見ていたら、皆さんが色気色気というのがわかった気はした。愛瀬くんのは「抜き」の色気なんですよね。キメるんじゃなくてゆるむ時に何かが漏れてくるという、とても肉体的な生々しさがあるのに、だらしなくない。口がふっとあいてることがあるけど、芸風は締まりがある。これがだらしなくて締まりがなかったら目も当てられないところだが、そのあたりは「愛瀬ならぜったい大丈夫」と安心してられるんですね、なぜか。そしたらどういう役をやるといいだろうねえ。楊ちゃんの(私の好む)色気とは、またちょっと種類がちがうからなあ。それと今思ったんだけど、愛瀬って色気あるけど性的なものじゃない気がする。だからかえって「見てしまった///」といういけない気持ちになったりするのか。うーん、なら『眠れる美女』とか? 話変えて、眠ってるほうが男で……ううむ……これは難しすぎる。ちょっと他を考える。

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