スターへの道のりについて

京我くんと柚咲ちゃん

日曜月曜と2回目の武生行き。しかし武生に来る(行く)ようになってもう二十年近いのかよー。びっくりしますね。今、武生では平日に下級生がお見送りとかしてるらしいじゃないですか。むかしの武生公演だと、土日祝は、今の菊人形のフードコートの横あたりに小さい野外舞台があって、そこで若手3人でミニショーやってたんですよタダで。そのメンバーに入ってましたからね桐生麻耶。しかしそれ思い出しても「あの頃は若かったー」「青かったなー」とかよぎりもしないの。今の桐生麻耶を見て「あの頃よりさらにコクが出た」と思うばかりで、昔からすごい人でしたなあ桐生麻耶。

んで、このブログの人気記事ナンバーワンが「桜まつりのススメ」なもんで、ひさしぶりに、武生のファンの集いに出たですよ。武生のつどいっていうと、武生パレスホテルの3階宴会場でやってたもんですが今やパレスは「ホテルクラウンヒルズ武生」と名前を変え、つどいの会場も「越前市文化センター小ホール」に変わってますの。もう新しい時代がわかんなくなってるよわたしゃ。でも知ってる昔のことにばかり固執するのは老害の始まりだし新しい世界に踏み出さねば。

って、はじめて「文化センター小ホール」でやった「たけふファン感謝のつどい」に参加してみたところ前とまっっったく同じでした! あまりにも何も変わってないんで驚く。会場がホールで舞台あって照明装置とかある(座席は取り払ってあってフラット)、ホテルの宴会場とずいぶん違うはずなのに「パレスの宴会場だ……今は西暦2005年……これから大貴さん出てくるんじゃねーのか」と思うぐらいの紛うことなき「OSKのつどい会場」で「OSKのファンのつどい」でした。これが「OSKらしさ」というものなのか。百年の伝統か。

(その「これ」がどういうものかというと、進行がダラダラしていて出し物がゆるい、やさしさと馴れ馴れしさ、カタギじゃなさとシロートっぽさの微妙な混淆、そのすべてをひっくるめた空気。こういうのは誰かが図々しいとひどいことになったりしますがそれもコミでOSKらしさというか….. _| ̄|● )
(劇団員の雰囲気が、ここ十年ぐらいで変わったかなーと思ってたこともあったけど、こうやって集いに出てみると、変わってないなーと思った。でもそれは、今年の武生メンバーがそうだったってことかもしれぬが)

えー、それでファンの集いに出たといっても、「誰ソレさんとお話ししたい! ツーショット写真撮りたい!」とかそういうのは別になかったので、ただ人びとの交流を見てるだけなんです。ただ、公演を見ていて伝えたいことがある、と思った劇団員さんには一言伝えたいなあと思った、のでそれとなく列に並んだりするんですが、他の人はもっと「誰ソレさんとお話しを、お写真を」の人たちでどうしても気分的に列からじりじりそれてしまって伝えたい人にはあんまり伝えられずに終わってしまいました。でも華月くんには言えた、言えたぞ。私がにじり寄ったらギョッとしてたみたいな気がした。申し訳なかった。城月さんとはいらないって言ったのに(だって並ぶなどもったいない)ツーショット写真を撮ってしまい激しく後悔した。美人と並んで写真など撮るものではない。

れい様

で、きょう言いたいのはつどいのことじゃない。武生の客席で舞台を見ながら考えてたことで、それは、

京我りくくんの謎

についてだ。謎とかいうと何事かと思われるかもしれないけど。
京我りく(敬称略)は入団三年目の男役だ。なんせ三年目だから目立った役についてるわけではないんだけど私はわりと早くからこの人を認識していた。それというのも、「大衆演劇の花形っぽい」と思ったんだ(大衆演劇用語の「花形」ってのは「推されてる若手」ぐらいの意味です)。京我くんというのは「座長や若座長の一家じゃなくて外から入ってきて、立役も女形も両方こなす。見た目がいいから人気になり座長の娘(もちろん役者)と結婚して血縁入りするけどやがて独立して一座を立てる」みたいなイメージを体現したようなルックスで、松竹座の三列目の端っこにいても目についたのである。美人で豊満な感じ。豊満な男役ってダメみたいだけど、京我くんの場合は太いわけじゃなくて、貫禄……というのともちょっと違うな、うーむ、やっぱり「豊満」というのが私としてはいちばんしっくりくる。まろやかな豊満ではなく鋭い豊満。

ここまではわりとよくある。とくに「大衆演劇っぽい」というのは、ここ十年ぐらいでOSKに出現した新しい波である。で、その波の流れでいくと、大衆演劇っぽさのある男役(娘役には出現しないんだな不思議なことに)というのは、ある種の野心みたいのがギラギラと、あるいは衣の下からのぞく鎧のごとく、こちらに見えてくるものなのだ。それは当然というか、その野心=上昇志向=無駄なことはやらない=うまいものは逃がさない……などの「掴んだら離さないぜぜったいモノにするぜ」スピリッツこそ大衆演劇精神なんだから。

が、京我くんは「大衆演劇の花形」っぽい見た目なのに、そういうギラついた野心を感じないのですよ。なんかそのへんが「透明」なの。男役っていうと、いわゆる目線飛ばす系の、杉良太郎系のワザがありますが、京我くんは目力の効くルックスで、そういうのやろうと思えばナンボでもできそうなのに、わりとあっさりしている。やる気がないというのではなく、その方向性は選んでいない、ような。こっちの印象で勝手に言ってるだけですが。

会社もバカじゃないので、大衆演劇ウェーブの劇団員というのは角座の公演(今やってるレビュージャパンは除く)のほうにより投入されている。そりゃそっちのほうが釣るほうも釣られるほうも効率いいだろうし。そして、京我くんは、ぜったい角座に向いてるだろうルックスなのに、あんまり角座で見ることがなく、松竹座や武生で、うしろのほうをきちっと固めている。…………それで、私は武生の集いで、機会があったら京我くんとしゃべって、どういう男役を目指してるのか聞きたいなあと思ったんです、が、司会者やったりしていて、その後見失ってしまって、何も喋れずじまいでした(´Д`)。私としては、今の方向性で一歩一歩着実に歩んでくれたら、今までちょっと見たことない男役(豊満な、か?)になるんじゃないかという期待があるんですよ。ただ、角座コースがショートカットでうまいことやってるように見える反面、松竹座武生下積みコースって、いろいろな意味で大変だからなあ。それでも、力はつくと思うよ、ぜったい。

ということで、最後に武生の男役スターズ。この人たちもそういう道を歩んでここまで来たんだよ。

スターたち