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OSKと宝塚と大衆演劇

先日、宝塚星組大劇場公演を見にいった。見にいったのはひとえに「ショーが前モノで日本物」で、その日本物のショーの振付を山村若がやってて、若先生の振付助手として山村若有子先生がお入りになられた、からです。
若有子先生は舞踊家として立ってらっしゃる方ですが、振付も素敵で、以前お伺いしたら若有子先生が初めて振付をなさったのが、2003年10月、京都の晴明神社でやった歌劇奉納『安倍晴明』だそうなのです。ええっ、もっと前から振付の仕事なさってるのかと思った。OSKファンとしてはもう「堂々たる日舞の振付家」というイメージなので。若有子先生の振付で私がいちばん好きなのは、2007年春のおどりのラストの『橋よ橋』総踊りかなー。総踊り系がとても美しい。あ、2006年秋のおどりの大阪メドレーの振付もよかった。手の動きとか面白くて。私が若有子先生の振付が好きなのは、きっと近鉄時代を引きずってないからなのだ。というのは初めての振付が2003年秋、と聞いての後知恵かもしんないが。でも知ってしまったからにはそう思わないわけにはいかない。若有子先生の振付には、新しくてきれいなイメージがある。清新というか。

松竹座の公演というのはやはり格の高いもので、……といっても2004年春が最初だからまだ十年も経っていないんだけど、それだけでも「格の高い舞台」を積み重ねてきた。と思ってきた。確固たるものができたと私は思っていた。やはり振付の先生というのはすごいもので、格の高き振付家の舞台はちゃんと格が高くなるのである。実に単純なことだと思うんだけど、格の高いものなどどうでもいいという考えがあったりするんだろうか(ここ、文章として省略が多すぎるか。説明すると、今のOSKはその格の高さというものを軽視している、と私が思っている、ということです)。世の中の価値をひっくり返すとかそういう意味合いでそれをするならわからないでもないが、そうじゃなくて単に安けりゃいいというかセコイというか、そういうものを目指しているとすればもう私はついていけない。はたしてどっちだ。

振付助手というのは振付そのものをなさるわけじゃないから若有子先生の振り、というわけじゃないのだけどそこは若先生でいらっしゃいます、宝塚大劇場で見たチョンパの幕開きはやはり「あーやっぱりきちっとしてる」というものだった。OSKに対しても宝塚に対しても「遜色ない」と言える絵面。

しかし総踊りじゃなくなってからの場面、ここからがある意味で見モノだったというか、これは振付の問題ではなくて構成というか選曲というか、そのあたりがかもしだすもんだったんだと思う。つまり「作風」。ものすごく「大衆演劇ぽかった」のである。もちろん演歌だの花の慶次だので踊るわけじゃなく(当たり前だ)、一曲をフルコーラスでたっぷり踊って、その踊りがゆったり(大衆演劇の場合はのたくら)しているというとこがすごく似てた。そして、目標とすべき「美しいもの」が、宝塚も大衆演劇も同じなんじゃないかと思った。あと舞台全体の絵や照明も感じが似てて、私は「去年の夏に松山劇場にスーパー兄弟が来た時にしばらく通ってみて、それでその舞踊ショーにすっかり辟易してしまい、龍美麗は宝塚好きとかいってるならOSKの日舞見せてそっちに善導すべきか」とか思っていたことを思いだし(2007年春のおどりのDVDでも渡そうかと思ったのだ)、しかしそれは間違った考えであるということに気づいたのであった。日舞ショーは、宝塚はすごく大衆演劇ぽいし、大衆演劇のほうもそれを目指しているに違いない。私は「OSKのシャキシャキした日舞ショー」の空気が大衆演劇には向いてるかと思ってたけどそんなのは別にやりたくもないしやれないのだ。そして向かうところは宝塚的日舞。宝塚は、きっと上品を旨としてああいった方向に進んでるんだろうが、そこは「技能の低さから仕方なく行きつく場所」でもあるというありがたい構造。

世間的に、宝塚→OSK→大衆演劇の順に上品から下品のグラデーションを成してると思われてそうだが、実際はグラデーションでもなんでもなくて、OSKの日舞ってのは別モノなんですね。
シャキシャキして爽快感あふれる日舞って貴重かも。ただ、前に書いたように、そこは格が高くお願いしたいところだけどそのへんの足元がグラついている。ある先生がおっしゃった名言、「日舞なんてやりたくもないしやる気もないしできないんだよね」。だったら先生だけでもきちんとした人にお願いしてほしい。


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