楊ちゃんの開演アナウンス

公演でやだなあ、と思うことがいくつかあって、内容じゃなくて客のリアクションの話ね。

大阪松竹座の緞帳

リフトで拍手するの。これがイヤなんだ。

OSKではリフトで拍手はしねーんだよ!

いやそれがほんとにOSKの決まりなのかどうか知りませんし、へんな決まりなら守るいわれもないわけだが。私だって、とんでもない凄リフトなら拍手も惜しまないが(人間風車みたいなやつとか……って、それじゃ終わっちゃうよ!)、ただ持ち上げてクルクルする程度で拍手なんかすんな。つーか、リフトで拍手する人たち「歌劇ってそーいうキマリでしょ?」みたいにやってるんじゃないの。その安易な空気がガマンできん。

そして開演アナウンスでトップスターや主演スターが名前を言ったら拍手するやつ。

なんか不粋なんだよ!

そういえば2004年の『春のおどり』、OSKが解散〜存続から66年ぶりに松竹座で春のおどりをやる!という記念すべきこの公演、スターによる開演アナウンスがなかった。松竹の場内アナウンスで「横澤英雄作・演出、レビュー春のおどり、桜咲く国、ルネッサンスを開演いたします」ってやってたのである。実は私はこれが好きだった。「なんか松竹っぽい」と思った。あの、ちょっと暗めの女性の声で事務的なアナウンスがあって暗くなってチョンパ、ってのが「これが宝塚じゃなくてOSKだ!」とか思った。でもそういう私は少数派だったようで、翌年に大貴さんが開演アナウンスで「NewOSK歌劇団の大貴誠です」って言ったのを聞いた大貴ファンはみんな喜んでました。
 

でも拍手なんかしなかったぞ!

で、こないだの『夏のおどり』。楊ちゃんのトップお披露目公演だしまあ拍手もしょうがないよなーと思いながら初日、場内暗転。そして楊ちゃんの声が開演を告げる。……拍手なかった! 曲が始まってから入るタイプの開演アナウンスだったけど、そういうのでも入る時には盛大に入るので、ここで拍手が入らなかったのには理由がある。

拍手を入れる隙を見せない開演アナウンスだった

からです。「OSK日本歌劇団の、楊琳です」の後に間をおかずにすぐ次の言葉を発してたから。これ、「楊琳です」のあとに一瞬、「間」を入れたらドバーンと拍手が来るのよ。主役が舞台のど真ん中で思い入れたっぷりに客席を見回す→ドーン!→盛り上がる、みたいなそういう間。コンマ2〜3秒ぐらいなんだけど、その拍手間があるとドーンと来る。べつにそうしたっていいのに、楊ちゃんはやんなかったのよね。公演後半になったらムリヤリ拍手してる人もいたけどどうも盛り上がらなかった。間がないところにやっても、うまくはいかないものだ。だからなんなのかというと、「そうか楊ちゃんも開演アナウンスの拍手は要らない派なのね、と私が勝手に思っている」というだけの話でした。

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