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獅子の時代

場面の役替わり再演というと、今回の『ラストショー』→『ジャスト・ダンス』の他では、『ザッツ・スパニッシュ(2004年秋のおどり)』『ブラック&ホワイト(2005年武生バージョン)』『ザ・カムパニイ(2006年春のおどり)』が2007年秋の南座『シャイニングOSKベストセレクション』で再演された。いや他にも小さな公演とかイベントとかで「場面役替わり再演」はコマコマとあるんだけど、

「大貴・桜花・高世」が芯取ってた場面を、基本的に変更なしで「桜花・高世・桐生」にスライド@松竹公演

となると上記になるわけです。で、今回のラストショー/ジャストダンスみたいな気持ちには、他のやつはならなかったんですよね。ザッツスパニッシュはまあ、スパニッシュというものがあんまり好きとちゃうもんでどうでもいいんだけど、『ブラック&ホワイト』は「存続以降のOSKで(誰にでもわかる)いちばんOSKらしくかっこいい場面」だし、『ザ・カムパニイ』は、「歌詞は天才(笑)横澤ポエムで曲もマヌケなまでに明るい系ながら大貴さんのキャプテンがやけにかっこよく、たまらん場面」で、それぞれたいへんに思い入れがある。まるっきりメンツが変わるならともかく、一番上が抜けて1人づつ順に上がるというのはけっこうつらいもんがあるんじゃないかと思ったけど、ぜーんぜん平気であった。なんとも思わなかった。「あーやっぱりこの場面はエエなあ〜」とニコニコしながら見ていられたものです。

しかし、ラストショー→ジャストダンスはあかんかったですねえ。退団公演のクライマックス場面だったから、というもの以上の何かがあったみたいだ。

思うにこれ、「あの時のあれを再演しますよ」とと喧伝されていなかったというのも大きかったかも。私が「ぜんぜんへーき」だったやつは、「ベストセレクション」と銘打たれていて「この名場面をやりますよ」って言われていた。今回のラスト→ジャストは事前になんの情報もなかった(し、初日があいてもそのことに言及する人があんまりいなかった、私の見た限りでは皆無だった、のは前に書いた通り)(そのことはいまだに「なんで???」と、思う)(いや、はじめてOSK見た人とか2007を見てない人に言及は求めませんよ)。

この「何も言わずにあれを、ああいう重要な位置でやってみせる」というところに、私などは逆に「名倉先生の思い」を感じてしまうのだが、実際のところはわからない。

で、当欄11日に、この再演場面について「不満であった」ということを、なんか抽象的に書いているが、いかにも観念的でわかりづらいんじゃないかと反省して、わかりやすく言ってみたい。要は「ジャスト・ダンスの白3人、イケてなかった」ということです。

踊れてないってことじゃないですよ。振付を、音にのせてきちんと踊るという意味では、大ちゃんよりちゃんととできてたともいえる。私が言ってるのはそこではない。

あの場面て、全体がスタイリッシュでかっこいいのは当然として、肝腎なのが「白のたたずまい」であります。あの白は、

「小粋で、瀟洒で、大人で、エロ」

なのがイイわけですよ。この四本柱がないといきなり味気ねー、となります。で、まあ、大貴さんはまさにそれ全部ばっちり。踊れなくたってキメるとこはその四本柱で大阪の橋は橋っとバシッとキメました(でも踊れねー踊れねーとさんざん言われた大貴誠ですが、あの2007年のラストショーは、驚くほどちゃんと踊ってましたよ。2004秋のブラック&ホワイトなんて、他の全員が一回転してるところスリークオーター、とかしてたのに、2007はちゃんと回るとこ回って止まるとこ止まって振り間違いもない。……って、踊れるってその程度かよと言われそうだが)(ええ、大貴ファンとしてはそれ、けっこうたいへんなことなんです)。

今年の白3人の白ぶりは、
「まだまだトーシローだな」by土屋圭一@首都高バトル

なのであった。いやー、青い。青じゃダメだよ白なんだから(違)。
とはいえ、新しいメンツで新しいものをつくる、というのは当然アリで、じゃあ、今年のが「新しい何か」だったか?

その何かは獲得できてないな、というのが私の不満の淵源です。
あの場面、始まってから終わるまで、するすると流された。流すとこかそこは! いや流してもいい。その流れで私を持ってってくれるなら。……少し先の小川をサラサラ流れる春の水。それを眺めている私。今年のジャストダンスとはそういうものといったらいいでしょうか。解釈の問題を越えてこれは「間違っている」と思う。

(ところで、今から5年前の公演の場面再演なんて、知らない人がいて当然、というのはよくわかります。知るかよそんなん、という人もいることでしょう。しかし、これを読んだアナタはもう知ったわけです。そして、昔から知っているからエライのか、と言われたら、それは明らかに「昔から知ってるほうがえらい」です。いや、えらいってのはちょっと誤解を招くか。昔から知ってるほうが、いろいろいいです。私ももっと昔から、ファンじゃなくてもOSK見て知っときゃよかったと思います。しかし、歴史を知っていてもそれをカサにきてつまらないことを言うのはナサケナイことです)

他、不満点。
獅子をみんなが口をきわめてほめる。毛振りやるなんてすごい!と驚嘆する。あの頭は相当重いのにあんなに揃って、とか。
やってたのにー2007年に。
同じ規模同じ格調のものを。あんときゃ何も言われてなかった気がする(泣)。ええ、ぼやきですけども。ぼやきついでに書くと2007のほうが揃い方は整ってたぞ。しかしぼやきはいったん措いて、あの獅子の場面は「ああよかった」と思った。
といいますのも、OSKが得意とする、洋楽に乗せたシャキシャキした日舞って、ヘタをすると「ヤンキーの日本回帰(紋付きハカマのヤンキー成人式とかYOSAKOIソーランとかヘビメタバンドの歌舞伎メイクとか)」になるという落とし穴にはまりやすい。それが山村若先生をはじめとする「松竹OSKチーム」にかかると、そういうことにはぜったい「ならない」です。先日ご紹介しました友人の「OSKファン界の狂犬」が「獅子の音楽がロックだったりしなくてよかった」と言っていて、ほんとにそうだ。これがヘビメタ風ロック調だったりすると、いきなり安くなるから。『エンドレ』で連獅子がありましたけどもあっちはまさにその「安い連獅子」だったので。今回の連獅子の音楽は『桜咲く国』のアレンジで、そのアレンジもヤンキー風味絶無でいかにも「春の、間の抜けたような美しさと、無残さ」に満ちててよかったです。ちなみに、2007春の連獅子の曲は、オリジナルの『橋よ橋』のアレンジで、大河ドラマのOPテーマのようなドラマチックさでした。

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