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hangs motionless upon the air

芝居がいろいろ考えこまされる作品だったもので、ショーのほうが今ひとつ、印象が薄い。

なんか、いつものOSKと違う感じのショーである。石橋さんのショーっつーと、2006年の武生の洋舞か。あれは「おーる近鉄音源に乗せたいつもの石橋ショー」って感じのものであったが、今年のは、なんだろう……なんか不思議なショー、なんですよ。不思議、というのは「いい」ことでもあるが、なんかネジがゆるんだみたいなショーでもあって、こちらも「どこが見せ場なのか?」と終わってからじっと手を見てしまう。

見せ場というか、見せられ場なら、第二景『Wrapping! Gift』だろうなあ。オープニングから引き続いてる場面なのですが、なにしろこのオープニングの、全員の衣裳が……。サクラクレパス12色入り、みたいな配色でどぎつくて、さらに飾り立てまくりである。OSKが今まで衣裳を飾るというと、ダイソーのプラスチック飾り、な風情でしたが今回の飾り立てぶりは、カラーホイル系なので、見る人によっては豪華と見えるかもしれません、が、……別に飾らなくていいし。とくに桜花ちゃんという人は「自分が光る」人なんだからそこにヒカリモノを配したらアカンのですってば。いや、光プラス光でイケル配し方もあるかもしれないけど、それはOSKの自主公演ではむりだ。そっちのセンスが圧倒的に不足してるから(泣)。

で、そのカッコの総踊りから桜花ちゃん残して男役がはける。桜花&娘役全員、の『Wrapping! Gift』の場面になるわけだが、手に手にプレゼントを持った娘役が桜花ちゃんを取り囲むと、櫻子ちゃんがいったんひっこんで、自分にリボンかけて登場して……っていうんだけど、けっこう頭グラグラした。これは桜花朝香でやる場面ではない。製作する人は劇団員の魅力というものについてもっと考えてほしいというか。ここは桜花朝香緋波は余裕しゃくしゃくにさっさとはけちゃって、若者でチャラチャラやっとく場面だと思う。

その後に、黒タキの男役軍団&桜花ちゃんでクールに踊るってとこもありますがどうも……ここもネジがゆるんでる。曲のせいだろうか。あと、この黒タキも飾り過ぎだ。テノヒラ模様の光る青いアップリケはいらんよ……。

いろいろ書いているが、うん、決して、イヤな感じとか、ゲンナリするとか、そういうショーではないです。いろんな味のキャンデーを缶につめておいたら外側が薄くとろけてなんとなく全体にひとつになったというような……こういうショーはあんまりなかった気がするので。

そして、フィナーレで桜花ちゃんは、熱烈の時の大羽根を(キジ羽根だけぬいて真っ白くしたやつを)背負って出てくる。メンバー全員、階段降りしてくるのに、トップスターの桜花さんは、下手の、袖から、小走りに出てくる。これには衝撃を受けた。何の衝撃かといえば「トップ(というかその舞台で上位の人)は上手から」「出はけは上から下へ」が破られたからなのだけれど、よくよく考えれば「トップが下手出で何が悪い」と言われたら返す言葉はないのである。上手と下手についてはいろいろなゴタクが(心臓が左側にあるからとか、天皇に対しての右近の橘左近の桜の関係性とか、洋の東西を問わずかならず上手からが決まりとか)あるのだが、それをぜんぶ知ってもなお、「で?」と返されたら終わりだ。そんなものを「なきもの」とするのがパンク・スピリッツ……ってOSKはパンク劇団じゃないけど、私はパンクであることが正しいと思っていたので、この程度のイレギュラーに衝撃を受けてしまったことを反省した。
それにしても、なんで下手の、それも袖から出てきたんだろうか考えたら、武生の舞台って、上手の袖がすごく狭いんですよ。綱場があるし、待機してる場所もないし、出てくるすき間も狭い。たぶん羽根が通らないんだ。下手でも、階段に上がるところは狭くて出られない。出られたとしてもカニ歩きになる。だから袖なわけね。先に出た全出演者が、斜めに整列して羽根の桜花ちゃんを迎える、というのは、イレギュラーを隠すためにはなかなか良いステージングであった。私が初日に見た限りでは、この「羽根しょって出てくるところ」が劇場でもっとも沸いたところだったので、背負って正解ということでしょう。でもこの考え方を推し進めていくならば、羽根はもっともっとさらに大きく、ハデに、小林幸子みたいにして松竹座で、という話になるよなあ。

書き忘れた。幕間トークは緋波亜紀、華月奏、穂香めぐみの3名で、和装です。男役二人は、着流しの、片袖抜いた、「うわー武生やー!」というスタイルで、ことにひーちゃんの、素頭着流しのあのスタイルは、「これができる人って、まだ今の劇団員にはいないわ〜〜」と思わせる貫禄と美しさがありました。でも、客に手振り指導してやらせるのはカンベンしてくれとなんべん言ったら……(泣)。

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