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灰色の猫

私は見逃したんだけど(肝心なことを見逃す。まったく間が悪い)、桜花ちゃんが大貴さんの後ろから肩を抱いて、そして歌いながら去っていったあと、大貴さんはナプキンで目を押さえてたそうで、それを見た大貴ファンは思わず「だああー」と滂沱の涙だったんだそうです。何しろ私は見逃してるので、終わって客電ついて、その話を聞いたとたんぼーぜんとなった。なんかいろいろショックで。大貴さんが泣くはずないという気持ちと、大貴さんが泣いてたらどうしようという気持ちでもうグラグラ。私は「まさかほんとに泣いちゃいない。ヨヨと泣いたふり」だろうって主張したんだけども「目撃してもらい泣き」の大貴ファンが(普段はウソ泣きを主張しそうなやつも)「いや泣いていたあれは思わずこちらも涙が」とか言うのだ。

なんでこう私がうろたえたかといえば、前に書いたように私がこのショーを好きではなかったからで、私がショーを見て「好きでない」と思う時、二つの意味がある。一つは「ただ、ふつうに、好きじゃないという感情」で、もう一つが「勝った(あるいは負けた)という感情」。いったい、この東京會舘のディナーショーの出来が良かったり悪かったりした時、私が何に対して負けたり勝ったりするというのか。いやそれは……。

ものすごく誤解をまねきそうだけど書かないとわからないから書いてみる。大貴誠が退団したあとのOSKは、大貴誠がいた時のOSKじゃないOSKにしようとしているのだ、と私は思っている。トップスターが交代して集団が変わるというのは当然の話だが私の言うのはそういう話じゃなく、もっとはっきりとした否定。この“否定”はたぶん劇団の運営についてのことだ。でも同時に作品も変わったんじゃないだろうか。どういうふうに変わったか、私の感じるところを一口でいえば、「近鉄回帰」。いや、そんな「とにかく近鉄の昔に帰るぞ!」なんてもんじゃなくて、ビミョ〜なもんなんですけどもね。微妙なだけにかえって気になる。気にするこちらの問題かもしれないんだけど。ちなみに和倉志向は別に感じてない。感じたのはこないだの東京會舘だけ。これがこの先も続くならともかく、たぶんそういうことはなかろうと、なんとなく安心している(根拠はまったくない)。

何かを判断する時に「好き」「嫌い」の他に「正しい」「正しくない」という基準があって、好き嫌いよりも正しい正しくないほうを重視するべきだと思っている。でもその正しいか正しくないかってのの判断は、そこに法律でもない限りは結局自分が下すわけで、よくよく考えたらテキトーな話なんだけど(これが原因で国家間の紛争すら起こるわけだ)、私は「近鉄っぽいのが好きじゃなく」、そして「近鉄っぽくなるのは間違ってる」と判断するので、今のOSKが進んでる(ように私には見える)方向は「違う」と思う。ただ、去年の武生公演(特に前半の龍馬のやつ)は、ものすごく近鉄っぽかったけど私は感動してしまったので、正しくなくてもそれをふっとばす作品のパワーというのもあるわけです。で、そういうのを見た時、私は「負けた……」と思う。まあ武生の龍馬はコールド負けした感じでもう爽快だったからいいんです。8対5ぐらいで負けて敗北感にうちしおれる場合は「自分の無能力」を突きつけられる感じでけっこうきついものがある。いやだから、別に勝負なんかしてないってば。それでもそういうふうに感じる。ああめんどくさい。

人と自分が違うなんて当たり前だけど、やはり感情というのは自分で感じたことしかわからないので、つい自分の感情を他人にも当てはめる。ということで、私が東京會舘のショーを見終わって思ったことは「よし、勝った」なのだった。なんだかすごく軽薄な感じがすることを堂々と書いてるなあ。でもそう思ったということを書かないとこのあとが続かない。で、そういう気持ちのところに「大貴さんが」と聞いてしまって虚を突かれた。大貴さんは「今のOSKに変貌する、その前の、今とは違うOSKをつくった人」で、OSKがどうあるべきかなんてのはそれこそ私以上に考えて、実行までしていたわけで、だとすると私が今のOSKを見ていちいち勝ったの負けたの正しいの正しくないの好きだの嫌いだの思うどころじゃない感情があるに決まっている。そこでもし泣いたんだとしたら、このショーの何が大貴さんをそうさせたのか。そしてその涙にはどういう意味があったのか。それを考えて、でもそんなもん考えたってわかるわけもなく(人の感情やそのモトなんか本人だってわかんないことがあるのに他人のソレが他人にわかるわけがない)、ぐるぐるになったというわけです。

しかし長々書いたけど、そもそも私の感じる「劇団が変わった」ということがすでにして「私の中だけの妄想」だったらすべては無意味な話ってことか。でもやっぱり変わったってば。変わって当然だし。それは悪いことじゃない。

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