春のおどりと南座私案

さて南座の『陰陽師』や如何に!

 
とか書いたとたんに南座中止の発表。おのれの間の悪さに失笑……。松竹座『春のおどり』も延期っていってたのがけっきょく中止。正直なところ、私は「松竹座が中止になって南座だけ開催」になるのがいちばん怖かった。なぜそれが怖いのかというのは説明が長くなるのだが……そしてそれは「陰陽師や如何に!」にも大きく関わってくるのだが……。なんて言ってると、南座が中止になってよかったと思っていると思われても困るのだが。

今年の春のおどりはたぶん来年の春に順延する

春のおどりは中止になっちゃったが、これについてはたぶん来年の春に、メンツもそのままで繰り延べてやるだろうと思っている。ふつうに考えて、松竹座公演でほぼ完成までいった作品にどんだけ金がかかってるかって話で、衣装も装置もできてただろうし、これをお蔵入りさせるほどの余裕はないと思うので。秋以降から来年春の間に押し込むってのも、劇場状況がどうなるかわからないし、時期がはずれた感じにもなってしまうから、それなら一年繰り延べましょう、制作費一回分それで浮くから……ってなんかケチくさい話で申し訳ない。興行なんて規模が大きけりゃ大きいほど経済が優先度一番になってくると思うの。だから新橋演舞場も一年順延。順延しないとすると、経済的問題で新橋公演自体がなくなる場合。

桐生麻耶のトップ期間もたぶん延長する

(ここまで書いてるの見ればわかると思いますがここに書いてるのはすべて私が勝手に想像して書いてることですからね!)

この作品は「桐生麻耶トップラストの春のおどり」で、これが退団公演だったら桐生さんが劇団を離れることになるので何かとめんどくさいことが(退団=退社時期をずらすことをはじめとしていろいろと)起きそうだけど、専科入りだからそもそも劇団には在籍してるわけで、繰り延べたって(春のおどりも、桐生さんのトップ期間も両方)だいじょうぶではないか。劇団がどうしても楊ちゃんを8月からトップにしないといけない事情でもない限り。たとえば今年の武生を楊ちゃんのトッププレお披露目として、そのセンで作品を発注しちゃってるとか程度のことなら、まあそこは武生だし楊ちゃんのトップお披露目みたいなショーだったとしても、OSKのファンは事情わかってるから文句もないし、OSKのファンじゃない武生の客はそんなことはどうでもいいからノー問題である。(楊ちゃんにアラブの石油王のスポンサーがいて「8月にヤン・リンをトップしなかったらすべての手を引く」とか言ってた場合はアレなのだがOSKにカネを注いでくれるアラブの石油王なんて、前からいればいいなあとみんなが夢想してるけど存在はしないんだ……)

実は今後に影響を及ぼすのは、

スターの世代交代問題

であって、桐生さんと楊ちゃんは学年差が大きいので一年ずれてもそれほど楊ちゃんの旬が過ぎてしまって取り返しがつかない、ということにはならないからいいが、この一年が響くのは楊ちゃんの次のトップ以降だよな……。ということを頭の片隅におきつつ、南座のことも考える。中止になった南座も来年に繰り延べりゃいいと思っていて、というかたぶん繰り延べだ。こっちも脚本出来上がって曲もぼちぼち上がってないといかん時期だったから、これをチャラにするほど余裕があるとも思えない。それに洋舞はそもそも春のおどりの二部がそのまま行く予定だったし。きっと来年やるにちがいない。やると決めた(誰が。私が)。

桐生麻耶のトップ交代時期を考える

それで、来年の南座サマースペシャルで陰陽師をやるとしたら、桐生さんがトップスターであるのは『春のおどり』までにして南座から楊ちゃんがトップでもいいんじゃないかと思うんですよ。春が、桐生さんの「トップスターとしてラストの松竹座」で、南座では楊ちゃんがトップ。なんかこう書くといろいろ誤解を招きそうなんだけど、なんで私がこう思ったかというと、

陰陽師で桐生さんが安倍晴明じゃない役をやってほしい…

からなんですね。いや、桐生晴明が安倍晴明だとは限らないが、ここんところのOSKの全体公演を見ていると、桐生麻耶が安倍晴明やるとしか思えないんだ……「トップは主役で原作の主人公安倍晴明」。「トップは主役で原作の主人公海の公子だった海神別荘」のように。で、楊ちゃんが源博雅だよね。楊ちゃんが博雅なのはすごくいい。でも楊ちゃんは安倍晴明もやれるだろう。博雅のほうがうまくやるだろうけどこれからトップになるなら晴明ももっとうまくやってくれなきゃ困る(し、たぶんうまくできる)。
 
 

桐生さんじゃ晴明をうまくやれないというのか!

そんなことは言ってない。そんなもん、やれるに決まってるでしょう。だけどうまくやるのと見たいのとはまた別なんだよおおお。トップスターにもタイプがいろいろあって、料理の仕方もまたそれぞれの肉質によって「よりうまい」ってのがあるはずでさ、桐生さんはヒレ肉タイプじゃなくてハラミやスネ肉。歯ごたえがあって旨味が濃いやつ。唯一無二のトップスター、という惹句を聞いた時には「これは桐生さんをうまいこと料理してくれるか!」って期待したんだよ。歌劇は今まで「グランメゾンのフランス料理フルコースのメイン、二枚重ねの大皿に美しく盛られた料理」としてトップスターをお客様にお出ししていた。桐生さんをトップにしたからには「食堂で湯気をたててるどんぶりだってお出ししますよ」という意思表示なのかと期待したのだ、が、どうもそういうことではなかった……。

陰陽師で桐生さんがやるべき役

今でもやっぱり『海神別荘』の「海の公子」には納得がいってない。これ同じ意見の人と会ってないし、みんな海神別荘絶賛してるので足元グラつきそうになるが、桐生さんの良さを出したかという点で海の公子はちょっとちがうだろう。そうはいってもあれは桐生さんが海の公子やらなきゃ仕方なかったし、ヘタだったわけじゃない(し、おかげで城月れい陸の美女が見られたという大加点ですべて帳消しの感あり)。『陰陽師』で桐生さんが安倍晴明やるとしたら、それも北林先生が桐生麻耶を念頭において晴明を書いたのなら、私が想像してないようなすごい「桐生晴明」が見られる可能性はある。が、そこも百パーセントは信じられんとこもあるしなあ(それはjaszczurka czarnaを観ちゃったからなんですが……)。トップじゃなくて特別専科の立場にいたら確実に安倍晴明はやらんはず。そうなってくれんもんかなあ。敵でも仲間でも式神でもいいから。

と、ここで私がいくら大声で主張しても桐生麻耶は安倍晴明で動くまい。ならば「どのような安倍晴明ならば桐生さんが魅力的なのか」を考えたい(つづきます)。

あ、ところで、前の前の記事で、OSKに「記事のURLに日本語を使わんといてくれー」と要望出したって書きましたが、最新の記事見たら日本語じゃなくなってる! すごい! 仕事早い! と思ったら次の記事はまた日本語だった….. _| ̄|● 過渡期だと思っておこう……(もしかしたら前からちらほらちゃんとしたURLもあったのかもしれない。とすると過渡期じゃなくて何も変わってないだけだが)。なお添付写真は内容にまったく関係ありません。

heartbreakASAYA

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